和方医学とは
和方とは
漢方、蘭方などの海外からの医術にたいして区別するための和方という概念のことです。海外から日本に入ってくるようになってから、区別するために和方という概念ができました。
日本には日本古来の医療に対する考え方があり、予防医学が進んでいたと思われます。
そのため中国の漢方処方のように複雑な処方はあまりありません。
江戸時代に花岡青洲先生が、紫雲膏、十味敗毒湯などを開発したくらいです。
日本での生薬を使った薬は日本薬局方に載っているのは、
十薬、センブリ、キササゲ、ゲンノショウコ、アカメガシワ、甘茶、厚朴 オウヒ、ガイヨウ、カゴソウなどあります。
かたや中国に目を向けてみますと、漢方処方に関して傷寒論、金匱要略などの医術書が多くありました。 中国からみたら2000年以上前の古文書なので、彼らからするとそんな古い書物での処方をまだ使っているというのは、腑に落ちないようです。
日本は合成薬を深く信じている国なので、天然物薬への理解があまりないようですが、実は全世界の70%の方々が何らかの天然物薬を使用しているのですね。文明からいっても、現代の文明が滅びてしまえば、おそらく残るのは、植物を使った薬が使われることでしょう。
合成薬は現代の文明が滅びてしまえば、もう作れません。
しかし天然物薬であれば、自然が植物を育てて、植物体内でフィトケミカルを合成してくれます。当たり前のことですが、これはすごいことだと私は感じています。
中国では無限に処方があります。 というか処方という考えがあまりなく、人それぞれに処方を考えていきます。
では日本は薬が進化していないのかと思われるかもしれませんが、私が思うにそうではなく、未病の概念の発達した最終系が日本食、和食にいたったのではないかと思う次第であります。さらに言えば日本のライフスタイルそのものが健康に生きるということに結びついていると思います。
第一段階
満腹までたべるのが幸せの段階
満腹が常に満たされてくると、肥満になっていきます。
第二段階
肥満になり、生活習慣病になります。
肥満に伴い、中性脂肪、高血圧、糖尿病、痛風の病気になってきます。
ここで薬が登場します。
第三段階
薬による治療が開始される
しかし食生活を改めない限り、薬で押さえているだけです
どんどん薬が増えていき、病院では一生飲んでくださいと言われます。
ちなみに病院では病気になってからの専門医でありますので、
どんな生活や食事をしたらいいのかは医学部ではカリキュラムがありません。 もし食事療法などを指導される先生がいらっしゃったら相当勉強されている先生だと思って間違いないです。
第四段階
人によっては副作用に悩まされたり、肝障害、腎臓のろ過機能の低下が起こってきます。 特に血糖値が常に高い状態が続くと、末梢の壊死が起こったり、神経が痛んでくるので、糖尿病性のしびれが起こります。また糖尿病性腎症になってしまいます。
第五段階
次に薬をたくさん飲むようになると、薬をやめる方向に考えていきます。
一番悪いのは過食です。常に満腹に食べることが一番悪いことに気が付きます。 昔からことわざで腹八分には医者いらずというのは本当です。
そうなると医食同源の考え方が入ってきます。
食事の順番はどうしたらいいのか、何をたべて何を食べない方がいいのか
と日頃の食事に気を付けるようになるのです。
第六段階
自分で食欲をコントロールして自律していきます。
すくなくともハレとケは日常生活に取り入れて生きていきます。
これが究極の健康法であり、薬いらずの国に発達してきたと私は考えています。
日本人の多くはこの第六段階まで発達した国民ばかりでしたが、昨今、西洋の食文化によって、野菜、穀類、魚をあまり摂取しなくなりました。
したがって私からみるとせっかく第六段階まで発達していたのに、第三段階まで逆戻りしてしまったように見えてしまいます。
日本人の生活全般が注目の的
その証拠に和食文化はユネスコ無形文化遺産に登録されています。
私的にはうれしいですが、遺産といわれるのは違和感を感じますが。
和食の特徴は以下の通りです。
1 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
2 栄養バランスに優れた健康的な食生活
3 自然の美しさや季節の移ろいの表現
4 正月などの年中行事との密接な関わり(ハレとケの観念)
さらにだし文化は世界中ないでしょう。 いりこ、昆布、かつおとだしがあります。食での芸術はだし文化、発酵文化、生食文化と深く、食美術といっても過言ではないです。 また味覚の3Dと表現してもいいと思います。あとは発酵調味料の発達があります。 日本ではみそやしょうゆは当たり前ですが、日本以外ではあまり見かけません。
以上を基礎として一汁3菜の日本型食事スタイルは理想的においしく、
バランスが取れており医食同源を追求した究極の食薬であると思います。
さらに盛り付け、器も芸術的にレベルが高いものがあります。
余談ですが、長崎では原爆が落ちた時に、放射能での被害はなんと味噌汁で防いだという記録があります。
ことわざにも健康に関するものがあります。
腹八分目に医者いらず 腹も身の内 青葉は目の薬 親が死んでも食休み
甲斐なき星が夜を明かす 風邪は万病の元 薬より養生
秋刀魚がでると按摩が引っこむ 頭寒足熱 早寝早起き病知らず
病は気から 夢は五臓の疲れ よいうちから養生
など沢山ことわざがあります
また日本人はお風呂に入り、衛生的にしていたばかりか、水圧と温度で
身体をいやしていました。 1000年以上まえは風呂はサウナのような形を風呂と呼んでいました。 そこで敷いていた敷物が今も残っている風呂敷です。 湯と風呂は違う設備を示していました。
お風呂にはいるということは水圧をかけて温めるということになりますので血行が良くなり新陳代謝が進みます。さらに衛生的ですよね。
以上ような日本人の生活様式が世界から注目されているのです。
和字もありました
現代となってからは和方とい言葉自体が死語となってしまいました。
これは言葉でも漢字に対して和字(国字)がありますが、こちらも死語となっております。和字の例:凩(こがらし) 鰯(いわし) 峠(とうげ) 榊(さかき) 麿(まろ) 辻(つじ)など訓だけで音読みがない字が多いです。
和字は漢字に飲み込まれてしまっています。
和方薬とは何か
和方薬とは日本人が開発した処方や古来から作っていた処方、または薬草そのものをいいます。
現代では漢方薬に組み込まれていますが、
花岡青洲先生が開発した通仙散、紫雲膏、排膿散及湯、百草丸、陀羅尼助、橋本七度煎などがあります。

なかでも橋本七度煎は愛知県南知多町内海に工場がありましたが、販売中止となってしまいました。 実に残念なことです。 5回は振出して紅茶みたいに服用して、後の2回は煎じて服用するという薬です。 一日7回です。 また薬草が大変貴重なことがうかがわれます。
ほかにも 十薬、キササゲ、黄柏、ゲンノショウコ、など現在の日本薬局方に収載されている薬草も多くあります。
和食とは?
簡単に日本で普通に食されている食材を紹介します。
こんにゃく
こんにゃくほど謎な食べ物はないです。
こんにゃくはコンニャクイモからできますが、コンニャクイモはなんと3年も育ている必要があるのです。 それも植えたままではなくて、掘り起こして保管しないといけないのです。 それにシュウ酸カルシウムが含まれていて、そのままではたべることができません。 またカロリーゼロです。現代のカロリーの考え方では理解不要な食材です。
こんにゃくを食べているのは日本だけ。コンニャクイモには猛毒のシュウ酸カルシウムが含まれており通常食べません。それを灰汁と称して石灰を混ぜて練ってゆでて固めたものがこんにゃくです。 そこまでして食うか?と外国人は思います。しかしカロリーゼロ。不溶性の食物繊維グルコマンナンが主成分。 にほんではおでんの定番です。 日本初の健康フードとして世界に広まってきています。
ごぼう
カロリーはほぼありません。不溶性食物繊維、水溶性食物繊維が豊富で、特に水溶性食物繊維はビフィズス菌が好物のイヌリンが含まれています。ビフィズス菌を摂取するのも大切ですが、すでに腸内に住み着いているビフィズス菌を育てるという考え方方からするととても理にかなっています。
梅
梅は梅干しにしたりして食べます。 これほど多様性に富む食品はないでしょう。というのも、保存食であり、塩分補給、クエン酸補給、ごはんに入れて握り飯にすることで保存料としての作用ももつ、一石3鳥の食材です。梅エキスはウメフラールが生成されて、血液サラサラの成分です。
わらび
毒が含まれているので重曹で「あく」抜きをします。この「あく」抜きの習慣は日本にしかありません。普通毒があってまずいと思えばたべません。 どうしても食べたかったのか、食べる必要があったのでしょう。
やまいも
山薬といいます。 これは薬にも使います。 滋養強壮によいとされています。 生をすりおろしてとろろにしたり、煮たり蒸したりして食べます。ねばねば成分はムシラーゼ(2020年にムチンは動物性粘液のことで植物性には存在しないといういいうことになりました。)です。 あとは天然のステロイドが入っています。成分名はジオスゲニンです。 なんか強そうな名前です。
大豆
和食には欠かせない食材です。 未熟のままなら枝豆としてビールのお供。
大豆にしたら炒って食べたり、煮たりして食べます。
豆乳にして飲んだり、豆乳から豆腐を作ったり、豆腐から油揚げをつくったり田楽を作ったり、みそやしょうゆを作ったりします。
米
日本人の主食です。 日本人は米を食べるためにいろいろなものをおかずとしてきました。 欧米では肉が主食ですが、日本人は米を食べるためにおかずとして肉を食べます。
最後に、、、私の考える和方医学とは
日本に海外から入ってきた医学との区別で使われていますが、移動手段が船や徒歩、馬という時代ではないので、今後はぜ体主義として考える必要があります。
現代の医療では要素還元主義(哲学用語であり、全体を理解するために分解して理解する手法、工業的には大変有効であったが、人間には向かない。自動車は分解して組み立てれば自動車になりますが、脳、眼、胃など臓器を組み立てても人間にはなりません)満たされており、人を臓器としてしか見ていません。
日本ではそういった医療が中心となっています。 専門医はいても家庭医や総合医がいません。
中医学(漢方)は人として治療するので要素還元主義ではなく、全体主義の考え方です。
和という言葉はさまざまな読み方や意味があります。 その1つが和える(あえる)という読み方です。
この和えるというのは混ぜるということではありません。 和えるのです。
個々の状態を保持しながら混ぜることです。 ポテトサラダで、ジャガイモ、キュウリ、ニンジンが形が確認できるようなものです。
このやり方は、日本人には特有な手法です。
通常は民族、医療などを保持、排除しようとします。
医療でいえば、西洋医学をしている病院は中医学や漢方を扱いたがりません。 またその逆もしかりです。 ではアーユルヴェーダはどうでしょう。
日本では資格制度すらありません。音楽療法はアメリカでは国家資格ですが日本では認められていません。イギリスではアロマテラピー(香料療法)が国家資格ですが、日本にはありません。
鍼灸師は国家資格がありますね。 マッサージ師も。
日本はこういった変わったものを取り入れることが得意な民族なのです。 それが和えるという概念です。
正月、お盆、お墓、クリスマス、金毘羅神社(インドの神様の日本化)。神道、仏教、キリストなどが混在しています。 こういったものを見ると日本以外の国から、粗相がないとか、信念がないとか言われそうですが、相反することはなく、和えるということなのです。
この和えるという概念を取り入れている和方医学は日本だけに拘るだけではなく、世界で行われている医療をこだわりなく取り入れていくことなのです。
現代医療を否定するのでもありません。 現代医療は大変有効です。
合成品しか使わない、天然物は効果がない、またその逆もしかりです。私にはこだわりはありません。
和多志が考える医学というのは、現代医学だけではなく、漢方とか特定に拘るわけでもなく、世界で歴史的に行われて民間療法も取り入れて、「和えて」医学に応用することが和方医学と私は考えます。
この和方医学の概念で効果のある処方を考案していきます。
日本の歴史について
世界一古い国
2021年は令和3年は紀元2681年です。 これだけ歴史が刻まれている国はございません。
紀元2600年はたくさんのイベントが行われました。
昭和15年(1940年)のことです。
紀元節(2月11日で建国記念日のこと)には全国11万の神社において大祭が行われたのです。
宮﨑神宮には八紘一宇の塔が記念として建造されました。
現在は平和の塔となっております。
2019年は元号が変わった年でした。
第126代天皇が即位されました。
2679年5月1日は令和元年となりました。
建国記念日と建国の地
奈良県橿原市にある橿原神宮にて神武天皇が即位した年を紀元元年としています。
その日は建国記念日 2月11日となります。
すごいですね。 神武天皇が即位してから令和天皇が126代目になります。 これだけ続いている国はございません。
また日本は支配の国ではなく、しらすの国です。
あくまでも国民は自由意志で天皇に従うのです。
命令されて従うのではないところが、実に自律的で自律しております。
万葉集でも、貴族だけではなく、町民、農民なども歌を詠むなんて、なんて高尚な国なんでしょう。
普通の国は、身分制度があって、そういった高尚なことはできず、食料を作るなどに忙しく、かかわることすらできません。
それを日本は古来から行っていたとは驚嘆です。
国を強くするのは食糧、インフラ、教育の3本柱です。 この3本がしっかり実践されれば国民は安心して豊かに高尚に暮らせるようになります。