アンチドーピング生薬成分
アンチドーピング生薬成分
私はスポーツファーマシストなのでドーピングについて生薬系の情報を共有いたします。
2017年1月1日から規制対象になったヒゲナミンがあります。
ヒゲナミン
これは南天実に含まれる交感神経刺激薬です。 気管支拡張作用があります。
南天実に気管支拡張作用があるとは咳止めの薬にはすばらしい効能ですが、ドーピングには問題があります。
他にも呉茱萸、附子、細辛、丁子、荷葉(蓮葉)に含まれいています。この生薬が含まれる漢方はたくさんありますので、薬剤師に確認した方がいいでしょう。もし飲んでしまった場合は2週間程度で完全に抜けます。 スポーツファーマシストであればなおいいです。
日本アンチドーピング機構のサイトから検索できます。
ちょっと気になる監視プログラム対象の成分
エクジステロン(20-ヒドロキシエグジステロン)です。 監視プログラムだからだめではないです。まだ摂っても大丈夫ですが、いつ禁止品目になるかわかりません。
このエグジステロンはたんぱく質(特にコラーゲン)を合成するのを助けます。
20-ヒドロキシエクジソン
エグジステロンが含まれる植物
もともと昆虫から見つかった昆虫脱皮ホルモンですが、なぜか植物にも含まれています。
ホウレンソウ 牛膝(ごしつ)パフィア 筋骨草です。
ベルリン自由大学は調査の結果、ほうれん草を毎日食べ続けると筋肉が増え筋力がアップすることを明らかにしたという報告があります。
46人が10週間にわたってホウレンソウの抽出物とプラセボを摂取させた。10週間後に筋肉の重さとベンチププレス力を調べたところ、ほうれん草摂取群では著しく増量したというもの。
これは植物性ステロイド「エグジステロン」の効果によるものです。
ポパイの話は本当だったんです。
あとは専ら医薬品でありますが、牛膝 牛の膝と書きますが、牛の膝ではなく、ヒナタイノコヅチという植物の根っこです。 日本には雑草で生えています。
牛膝が含まれている有名な処方は牛車腎気丸です。これは八味地黄丸の加減方で、効能効果は頻尿、膝の痛みやむくみに使われます。
あとはパフィアはブラジル人参ともいわれている薬草で、日本では某飲料メーカーが使用しています。女性用に開発したのでしょうが、なぜか発毛にいいという評判でおじさんに売れているそうです。 どうもフランスでパフィアが発毛で使われているということらしいです。真相は私はわかりません。
筋骨草は名前がいいですよね。中国ではこのように呼ばれているということはホウレンソウのように効果があるようです。
くれぐれも監視プログラムだから大丈夫ではありません。おそらく2021年1月1日に禁止成分になる確率が高いです。
逆に言うと禁止プログラムになっているということは効果があるということです。