ビタミンCの摂りすぎは問題あり?
ビタミンC摂りすぎは問題あり?
ビタミンC(アスコルビン酸)を過剰に摂取すると、体内で一部がシュウ酸(oxalate)に代謝されます。このシュウ酸が過剰になると、主に以下のような健康リスクがあります。
■ ビタミンCの過剰摂取によるシュウ酸の影響
1. 尿路結石(シュウ酸カルシウム結石)のリスク上昇
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シュウ酸は腸管や腎臓でカルシウムと結合して結晶化します。
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これが尿中に多く排泄されると、**腎臓や尿管に結石ができる(シュウ酸カルシウム結石)**リスクが高まります。
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特に水分摂取が少ない、腎機能が低下している、またはカルシウム摂取が極端に少ない人はリスクが高いです。
🔍 参考値:ビタミンCは1日2,000 mg以上の摂取で、尿中シュウ酸が明確に上昇するという報告もあります。
2. 腎障害の悪化
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長期間のビタミンC高用量摂取により、腎臓内でシュウ酸結晶が沈着する**シュウ酸腎症(oxalate nephropathy)**を引き起こす可能性があります。
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これにより、急性腎不全や慢性腎障害の悪化を招く恐れがあります。
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透析患者など腎機能が低下している人では、特に注意が必要です。
3. 他のリスク
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高シュウ酸血症により骨、血管、皮膚などへのカルシウム沈着が報告されたケースもあります(非常にまれですが)。
■ ビタミンCの代謝とシュウ酸の関係
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アスコルビン酸 → デヒドロアスコルビン酸 → オキソルグロン酸 → シュウ酸
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一部は尿中に直接排泄されますが、残りが肝臓で代謝されてシュウ酸へと変換されます。
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高濃度ビタミンC静注(IVC)療法でも、長期的な投与では腎機能への影響をモニタリングすることが推奨されています。
■ どのくらいの量が「取りすぎ」か?
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一般的な食事やサプリ(100~500 mg/日程度)では問題ありません。
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しかし、1日2,000 mg超の継続的な摂取は、体質や腎機能次第で問題になる可能性があります。
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特にシュウ酸結石の既往歴がある人や腎疾患のある人には慎重な対応が必要です。
■ 対策・予防
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水分をしっかり摂る(尿量を保つ)
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カルシウムを適度に摂る(腸内でシュウ酸を捕まえて排泄を促進)
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ビタミンCは適量(500 mg/日以下)に抑えるよう指導
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結石既往歴や腎疾患がある方にはビタミンCの大量摂取を避けるよう啓発
やばいですねえ 結石と腎機能低下のリスクが上昇することが分かっています。なんでも摂りすぎは良くないです。