エベナミド
エベナミド
現在統合失調症の薬として開発中の薬です。 日本には100万人ほどいるようですね。
エベナミド(Evenamide)は、統合失調症に対する新しい作用機序の薬剤として開発中であり、既存薬とは異なる「グルタミン酸調整作用」を持っています。
🔬 エベナミドの作用機序:ナトリウムチャネル遮断+グルタミン酸調節
エベナミドの主要な作用は:
✅ 電位依存性ナトリウムチャネルの阻害
-
特に活動電位依存性に過剰なグルタミン酸放出を制御
-
結果として:
-
過剰な神経興奮を抑制
-
グルタミン酸の異常放出を抑える
-
✅ グルタミン酸の過剰放出抑制 → 興奮毒性の軽減
-
統合失調症では、**グルタミン酸系の機能異常(特に前頭前野での過剰放出)**が報告されています
-
エベナミドはこれを間接的に抑制し、ドパミンに依存しない経路で症状を改善します
🧠 従来の抗精神病薬との違い
比較軸 | 従来薬(例:リスペリドン、クロザピン) | エベナミド |
---|---|---|
主作用点 | ドパミンD2受容体遮断 | ナトリウムチャネル遮断によるグルタミン酸制御 |
作用対象 | 妄想・幻覚など陽性症状が中心 | 陽性+陰性症状、認知障害の改善も期待 |
副作用 | 錐体外路症状、高プロラクチン血症、体重増加 | 比較的少ない(特にD2遮断による副作用がない) |
🧬 なぜ「新しい」のか?
-
グルタミン酸系に初めて本格的にアプローチ
-
従来薬の中心は「ドパミン仮説」だった
-
近年注目される「グルタミン酸仮説」に基づいた薬剤
-
-
既存薬との併用でも有効
-
エベナミドは単独よりも、既存の抗精神病薬に上乗せして使用可能
-
→ ドパミンだけでは不十分な陰性症状や認知機能低下に追加効果が期待される
-
-
神経毒性や依存性リスクが低い
-
抗けいれん薬にも似た穏やかなナトリウムチャネル遮断作用
-
GABAやセロトニン系には直接関与せず、副作用が限定的
-
📊 現在の開発状況(2024年情報まで)
-
開発企業:Newron Pharmaceuticals(イタリア)
-
フェーズ II/III 試験が進行中
-
特に「治療抵抗性統合失調症」や「陰性症状」に効果が期待されている
-
単剤療法よりもアドオン(併用)治療が主眼
2029年ごろには発売されるのではないかと思います。