不易流行
不易流行
「不易流行(ふえきりゅうこう)」とは、「変わらない本質(不易)」と、時代とともに変わる表現(流行)」を両立させるべきという考え方です。
これは、松尾芭蕉が俳諧(俳句の前身)の世界で大切にした理念で、芸術・文化・思想の世界で非常に深い意味を持つ言葉です。
言葉の構成
部分 | 意味 |
---|---|
不易(ふえき) | 永遠に変わらない真理・本質・美意識(例:自然への敬意、人間の感情の普遍性) |
流行(りゅうこう) | 時代とともに移り変わるスタイル・技法・表現(例:季語、言葉遣い、感覚) |
意味の本質
「変わらないものを大切にしながら、変わることも恐れず受け入れる」ということ。
-
不易を忘れると、芸術が浅くなり、流行だけを追う表面的なものになる。
-
流行を拒むと、表現が時代遅れになり、共感されなくなる。
つまり、「変わらぬものを守るために、変わらなければならない」という、いわば矛盾を抱えた深い真理です。
芭蕉の用法(俳句の文脈で)
松尾芭蕉は旅をしながら自然や人の情緒を詠みましたが、こう語っています:
「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」
-
本質(自然や人間の心)を忘れたら、俳句の土台が崩れる
-
流行(新しい感覚や手法)を取り入れなければ、句は時代に響かない
現代での応用(例)
分野 | 不易(変わらぬ本質) | 流行(時代による変化) |
---|---|---|
教育 | 人間を育てる理念 | 教え方(ICT、アクティブラーニング) |
経営 | 顧客満足・信頼 | サービス形態、SNS対応 |
文化 | 人間の感情・美意識 | 表現方法(デジタル化、AI) |
変わらないものを守るために変わらないといけないか、、、。