ある患者さんのなげき

ある患者さんのなげき

 

処方箋期限ぎりぎりで駆け込んできた方。 奥様が甲状腺機能低下症で、チラーヂンを服用していて心不全で利尿薬を大量に服用されていました。

どうやら話を聞いていると、チラーヂンを寝る前に飲むのであるが、30分くらいすると苦しがり、肺に水が溜まってしまい、緊急で病院いったんですよと。今日の薬は追加で服用するように言われました。

甲状腺機能低下症は良くなっているねといわれていますが、チラーヂンの量は100μと変わらず、甲状腺機能亢進症になっていないだろうかと。 甲状腺機能亢進症から心不全の悪化、肺に水がたまることはありますかと。

 

まあ普通に考えて甲状腺機能亢進症になれば心臓に負担がかかるしね。そこで2,3質問してみました。

甲状腺機能亢進症になると、寒さをあまり感じなくなったり、心臓がどきどきしたりしますが、どうですかと。

確かにありますよと。

 

チラージンを服用後に苦しくなり、甲状腺機能低下症が改善していてチラージンの量が減らされず、チラージンの服用後に苦しくなるということであれば、ほぼ確実にチラージンによる甲状腺機能亢進症を発症しており、その状態のせいで、心不全が悪化して、肺水腫を起こしていることが推察された。むくみもひどいということなので。

 

チラージンの服用を中止して様子をみたらどうですかと提案。 チラージンの服用は2,3日やめたってそんなに問題は起こらないだろうから。

 

甲状腺関係は内分泌科、と心不全関係は循環器科で分かれているけど、両科の先生は連絡とっているんじゃないの?と突っ込まれたが、取っていると思いますよと申し上げた。

 

内心、病院関係では縦割りであり、セクト主義であるので、横の連絡はほぼないと思っていいが、さすがに患者さんにはよう言えんかったな。