お血と痰濁と水毒の違い
これから血液以外の体液がクローズアップされてくるでしょうから、東洋医学でいわれている体液について整理してみました。
〇瘀血(おけつ)
瘀血は、血液の流れが滞り、うっ血した状態を指します。これは主に血液循環に問題があり、血が滞っていることが原因です。
原因: 血行不良、外傷、寒冷、慢性の病気など
症状:
痛み(固定された痛み、刺すような痛み)
皮膚が暗紫色になる(舌や顔色もくすんで見える)
瘀血が進行すると、しこりや腫れ、静脈瘤ができることがある
月経不順や月経痛なども瘀血の症状とされる
〇 痰濁(たんだく)
痰濁は、体内に余分な水分や老廃物がたまり、痰(粘液や異常な体液)が停滞している状態を指します。これは体液の代謝障害や湿気が体内に溜まることによるものです。
原因: 体内の水分代謝の不調、消化器系の弱り、湿気の多い環境、脂っこい食事など
症状:
体が重い感じがする
胸部の圧迫感や咳、痰が出る
めまい、吐き気、食欲不振
舌に白い苔がついている
〇 水毒(すいどく)
水毒は、体内に過剰な水分が溜まってうまく排出できない状態全般を指します。水毒は全身的に水分が停滞している状態であり、「水の流れ」が悪くなることで体内に異常な水分が蓄積されます。
原因: 主に腎機能や脾の機能低下が影響し、体内の水分を適切に排出できない状態。外部からの寒さや湿気の影響も原因になることがあります。
症状:
浮腫(むくみ)、体がだるい
下肢や顔が腫れやすい
頭痛や関節の腫れ、こわばり
尿量が減少する、または頻尿になることもある
めまい、耳鳴り、悪心、冷え性
簡単簡単な違いのまとめ
瘀血: 血液の流れが滞り、痛みや腫れ、くすみなどが特徴。主に「血」の問題。
痰濁: 体内に不要な水分や老廃物が溜まり、胸部の圧迫感や痰、体が重い感じが特徴。主に「水分」や「湿」の問題。
水毒: 体内全体で水分が停滞し、むくみやだるさ、関節のこわばり、冷え性などが生じる。特に腎機能や水分代謝の障害が原因。
痰濁は主に消化機能の問題から生じ、局所的な症状が中心であるのに対し、水毒は全身的な水分滞留が問題となる点で異なります。
現代医療では全く無視されてきていたリンパや体液の話が今後大きなテーマになるのではないかと。