肉食の弊害について詳細が判明しました。 

肉食ばかりしていると起こるであろう弊害について腸内細菌で少し説明できるようになりました。

 

このデスルホビブリオ菌が腸内で増殖すると硫化水素を発生してバリや機能を低下させて免疫力低下を起こすようです。

 

 

デスルホビブリオ菌(Desulfovibrio)は、嫌気性の硫酸還元菌の一種で、腸内でも見られる細菌です。デスルホビブリオ菌が腸内で増殖する原因やそれに伴う免疫力の低下について説明します。

 

〇デスルホビブリオ菌が腸内で増える原因

デスルホビブリオ菌は嫌気性菌であり、酸素の少ない環境で増殖します。腸内環境が変化すると、特定の条件下でこの菌が増殖することがあります。主な原因としては以下のような要因が考えられます:

 

△動物性脂肪やタンパク質の過剰摂取: デスルホビブリオ菌は、動物性脂肪やタンパク質が腸内で発酵・分解される際に生成される硫酸塩を利用して増殖します。特に西洋型の食生活(高脂肪・高タンパク質)がこの菌の増加と関連しています。

 

△食物繊維の不足: 腸内細菌のバランスを保つためには食物繊維が重要ですが、食物繊維の摂取が不足すると、悪玉菌の増殖が促進され、デスルホビブリオ菌のような有害な菌が優勢になることがあります。

 

△腸内環境の乱れ(ディスバイオシス): 腸内フローラのバランスが崩れると、特定の菌が異常に増殖します。抗生物質の使用やストレス、食事の乱れがこのバランスを崩す要因となります。

 

〇デスルホビブリオ菌が増えたときに免疫力が低下して起こる疾病

デスルホビブリオ菌が腸内で増殖すると、免疫システムに悪影響を与え、以下のような疾病や健康問題が引き起こされる可能性があります。

■慢性炎症性疾患: デスルホビブリオ菌は腸内で硫化水素を生成します。硫化水素は腸の上皮細胞に毒性があり、腸内のバリア機能を低下させ、慢性的な炎症を引き起こす原因となります。これにより、炎症性腸疾患(IBD)、特に潰瘍性大腸炎やクローン病のリスクが高まることがあります。

 

■大腸がん: 一部の研究では、デスルホビブリオ菌が硫化水素を生成し、腸内環境を酸化ストレスにさらすことで、DNA損傷を引き起こし、大腸がんのリスクを増加させる可能性が示唆されています。

 

■腸内バリア機能の低下による免疫不全: デスルホビブリオ菌の増殖により、腸内バリアが破壊されると、腸内の有害物質や細菌が血流に入り込みやすくなり、全身の免疫系に負担がかかります。これにより、感染症のリスクが高まるほか、免疫力全体が低下することがあります。

デスルホビブリオ菌の過剰増殖を抑制し、健康的な腸内フローラを保つためには、食生活やライフスタイルの改善が重要です。特に、食物繊維を多く含む食事やプロバイオティクスの摂取が腸内環境の改善に役立ちます。

 

さらにMDSCという細胞が増えてしまい、免疫抑制を発揮しているといわれています。以下詳細をお伝えします。

 

MDSC(Myeloid-Derived Suppressor Cells、骨髄由来抑制性細胞)は、免疫抑制機能を持つ免疫細胞で、特にがんや慢性炎症、感染症などの病態で増加します。MDSCは多くのメカニズムを通じて免疫抑制作用を発揮し、T細胞やNK細胞などの免疫応答を阻害します。以下に、MDSCによる免疫抑制の代表的なメカニズムを説明します。

 

〇アルギニン代謝を介した抑制

MDSCは**アルギナーゼ-1(Arginase-1, ARG1)誘導性一酸化窒素合成酵素(iNOS)**を高発現します。これらの酵素は、L-アルギニンというアミノ酸を代謝し、T細胞機能を抑制します。

 

■ARG1はL-アルギニンを分解し、L-オルニチン尿素を生成します。L-アルギニンはT細胞の増殖や活性化に必須のアミノ酸であり、その濃度が低下することで、T細胞の増殖や活性化が抑制されます。

■iNOSは、L-アルギニンから一酸化窒素(NO)を生成し、NOはT細胞のシグナル伝達や分裂を抑制する作用を持っています。さらに、NOは活性酸素種(ROS)と反応して過酸化窒素を形成し、これがT細胞に対する強い毒性を発揮します。

 

〇活性酸素種(ROS)の生成

MDSCは大量の**活性酸素種(ROS)**を生成します。これにより、T細胞の受容体であるTCR(T細胞受容体)のシグナル伝達を妨害し、T細胞の機能が抑制されます。特に、MDSCが生成するスーパーオキシドや過酸化水素は、細胞内で酸化ストレスを引き起こし、T細胞の分化と活性化を阻害します。

 

〇免疫チェックポイント分子の誘導

MDSCは、免疫抑制分子であるPD-L1(Programmed Death-Ligand 1)を発現することが知られています。PD-L1は、T細胞の表面にあるPD-1と結合することで、T細胞の機能を抑制し、アポトーシスを誘導します。このPD-1/PD-L1経路は、がん環境においてMDSCがT細胞の抗腫瘍免疫を抑制する主なメカニズムの一つです。

 

〇サイトカインの分泌

MDSCは、免疫抑制作用を持つさまざまなサイトカインを分泌します。代表的なものは以下の通りです:

■TGF-β(トランスフォーミング成長因子-β): 免疫応答の抑制や、免疫寛容を促進する。

■IL-10(インターロイキン-10): 抗炎症性サイトカインで、マクロファージや樹状細胞の抗原提示能力を低下させ、T細胞の活性化を抑制します。

 

〇制御性T細胞(Treg)の誘導

MDSCは、**制御性T細胞(Treg)**を誘導する能力を持っています。Tregは、免疫応答を抑制することで自己免疫反応を防ぐ役割を果たしますが、がん環境や慢性疾患では過剰に働き、免疫抑制状態を強化します。MDSCはTGF-βやIL-10を介してTregの誘導を促進し、さらにT細胞の抑制を強化します。

 

〇エクソソームを介した免疫抑制

MDSCは、エクソソームと呼ばれる小胞を放出し、これらの小胞に含まれる分子が他の免疫細胞に作用して免疫抑制を引き起こします。エクソソームには免疫抑制分子やmicroRNAなどが含まれ、T細胞や樹状細胞、NK細胞の機能を抑制します。

 

まとめ

MDSCは、アルギニン代謝の阻害、活性酸素種や免疫抑制サイトカインの生成、免疫チェックポイント分子の発現など、さまざまなメカニズムを駆使して免疫応答を抑制します。これらのメカニズムは、特にがん環境で重要な役割を果たし、がん細胞が免疫系の攻撃を回避する一因となっています。

 

つまり肉食を中心とした食生活は以上のことから、大腸ポリープや、大腸がん、腸内の慢性炎症である潰瘍性大腸炎などを引き起こすことになると思われます。