腎機能低下の指標

腎機能低下の指標

 

紅麹の件から、腎臓が注目されてきましたので、腎機能低下の指標についてまとめてみたいと思います。

 

普通に健康診断を受ければ、クレアチニン、eGFRがあります。 腎臓は悪くなっても痛くもないし何も症状がありません。

 

腎臓だけではないですけどね。 膵臓も脾臓もです。

 

腎臓の働きもすごいですよ。以下まとめてみました。

 

  • 尿の生成と排泄
    腎臓は、血液中の老廃物や余分な水分、電解質をろ過し、尿として体外に排出します。この過程で、血液中の不要物を除去し、体内の水分と塩分のバランスを保ちます。

  • 体液のバランス調整
    腎臓は、体内の水分量を調整し、血液の浸透圧を一定に保ちます。尿の量を増減させることで、体内の水分量を調整し、脱水や水分過剰を防ぎます。

  • 電解質バランスの維持
    腎臓は、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質のバランスを調整します。これにより、神経や筋肉の正常な機能が維持されます。

  • 酸塩基平衡の調整
    腎臓は、体内の酸性やアルカリ性のバランス(pH)を調整します。酸性が高まると、尿中に酸を排出し、pHを適正に保ちます。

  • ホルモンの分泌
    腎臓は、エリスロポエチン(赤血球を生成促進するホルモン)やレニン(血圧を調整するホルモン)などを分泌します。また、ビタミンDを活性化させ、カルシウムの吸収を助けます。

  • 血圧の調整
    腎臓は、体液量やナトリウム量を調整することで、血圧の調節にも関与しています。レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系を通じて、血圧を上昇させたり維持したりします。

 

こんなに働いている腎臓。 日常生活ではまったく無意識です。

 

腎機能が低下してくる自覚症状は以下の通りですが、すべてが腎機能特有ではないのでなかなか自覚症状から判断は困難です。

 

1. 疲労感や倦怠感

腎機能が低下すると、体内に老廃物がたまりやすくなり、全身の疲労感や倦怠感を感じることがあります。これは、体が十分に毒素を排出できず、エネルギーが低下するためです。

2. むくみ(浮腫)

腎臓が余分な水分や塩分を適切に排出できないため、手足や顔にむくみが生じることがあります。特に足や足首のむくみが目立つことが多いです。

3. 尿の変化

  • 尿の量の変化:腎機能が低下すると、尿の量が減少したり、逆に増加することがあります。
  • 泡立ちの多い尿:尿に泡が立ちやすくなるのは、尿中にタンパク質が漏れ出している可能性があり、腎臓の機能低下を示します。
  • 血尿:尿に血が混じることがあります(肉眼で確認できる場合もあれば、検査で初めて分かる場合もあります)。

4. 高血圧

腎臓は血圧の調整に関与していますが、腎機能が低下すると血圧が上昇することがあります。高血圧自体も腎臓の負担を増やすため、悪循環を引き起こすことがあります。

5. 息切れや呼吸困難

腎機能が低下すると、体内に余分な水分がたまりやすくなり、肺や心臓に負担がかかり、息切れや呼吸困難を感じることがあります。また、貧血も腎臓病に伴う症状の一つで、それが原因で息切れを感じる場合もあります。

6. 食欲不振や吐き気

腎機能が悪化すると、体内に老廃物が蓄積し、消化器系にも影響が出ます。その結果、食欲不振や吐き気、さらには体重減少が生じることがあります。

7. 筋肉のけいれんやこむら返り

腎臓が電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)バランスを調整できなくなるため、筋肉のけいれんやこむら返りが起こることがあります。

8. かゆみや乾燥した肌

腎機能が低下すると、体内に老廃物が蓄積し、皮膚にも影響が及びます。かゆみや乾燥した肌が現れることがあります。

9. 集中力の低下や混乱

腎機能の低下により、体内の毒素が増えると、脳の働きにも影響が出て、集中力の低下や混乱、場合によっては記憶障害が見られることがあります。

10. 貧血

腎臓がエリスロポエチンというホルモンを分泌できなくなるため、赤血球の産生が減少し、貧血が進行します。これにより、疲労感や息切れがさらに悪化します。

 

腎機能が低下してくるわかりやすい自覚症状は頻尿です。 昼間に2時間持たないとか夜間頻尿で2回も3回も起きるとかです。

でもこれも腎機能低下が原因か?といわれるとワンオブゼムです。

 

そこで重要視されてくるのが前述したeGFR クレアチニンです。

 

eGFRは簡単に言ってしまうと1分間に何ミリリットルの血液をろ過できるかどうかの指標です。

 

若い人は100以上あります。 現在健康診断で60以上が異常なしとされています。 

 

クレアチニンは筋肉が活動する際の老廃物で腎臓によって排出されます。

    

       【クレアチニン】

クレアチニン | 化学物質情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター

こんな構造しています。 

 

この老廃物は筋肉が活動するときにでるので生きている限り生産されています。 

激しい運動したりするとクレアチニンが一時的に上昇したりします。

 

腎機能低下してくるとこのクレアチニンの排出が低下してきてしまいます。 

 

健康診断では1.0mg/dl以下が正常値とされています。

 

EGFRが一桁で透析になってしまいます。 クレアチニン8以上で透析です。

 

腎機能が低下してくると多尿症になり尿量が増えてきて頻尿になります。 尿の濃縮能力が低下してくるためです。

更に悪化してくると、尿量は減っていきます。

 

だるさ、寝ていても体がむくむ、生き苦しい、高血圧などいろいろな症状がでてきます。

 

病院にいき血液検査して、「透析しないと死にますよ」といわれて透析人生が始まります。

透析になると1週間に3回の5時間透析しないといけなくなります。 相当の負担です。 

また腎機能が低下してくると、筋繊維の萎縮も始まります。 高齢者ではフレイルになってしまいます。

 

女性ではへバーデン結節になる恐れがあります どうも腎機能低下が原因のようです。

 

このような沈黙の臓器「腎臓」はもくもくとあなたのために一所懸命に働いています。

またいままでは腎臓は再生しないといわれていましたが、どうも回復するようです。 常識は変わってきています。