糖尿病で痩せていくメカニズム
糖尿病で痩せていくメカニズム
糖尿病で痩せていくのはやせたい人にはとっては大変魅力的なメカニズムです。
体内では今はやりのケトジェニックダイエットが起こっているのです。
糖尿病になると、細胞にブドウ糖が取り込めず體がエネルギー不足になっていきます。 そこで體は考えます。
皮下脂肪を分解してケトン体を作り出し、エネルギー源にするわけです。 皮下脂肪の中性脂肪を分解すると、ブドウ糖10%、ケトン体90%が合成されます。
この状況になると、いくら食べてもどんどん痩せていくわけです。 これは病的ですので、結構深刻な状況です。
以下糖尿病患者の多食で痩せていき、死に至る流れです。
1. 多食と体重減少の背景
この現象は主にインスリン不足によるものです(主に1型糖尿病や重症化した2型糖尿病で見られます)。
- インスリンの役割: グルコースを細胞内に取り込み、エネルギー源として利用する。
- インスリン不足: 血糖値が高くても細胞がグルコースを利用できないため、エネルギー不足が生じ、体が他の代謝経路(脂肪や筋肉の分解)に依存します。
2. 進行による状態の悪化
(1) 脂肪と筋肉の分解
- 脂肪分解: ケトン体(脂肪酸分解産物)が過剰に生成され、体を酸性にする(ケトアシドーシス)。
- 筋肉分解: アミノ酸を糖新生の原料として利用するため筋肉量が減少。
- 結果: 極端な体重減少、倦怠感、筋力低下。
(2) 高血糖と浸透圧利尿
- 浸透圧利尿: 血糖値が高すぎると腎臓での再吸収が追いつかず、尿中に大量のグルコースが排出されます。
- 脱水: 尿の増加による体液喪失(多尿)。
- 症状: 激しい喉の渇き(多飲)、脱水、電解質異常。
(3) ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシス、DKA)
- 原因: インスリン不足により脂肪分解が加速し、ケトン体が過剰に生成される。
- 症状:
- 吐き気・嘔吐
- 呼吸が速く深い(クスマウル呼吸:酸性を中和するため)
- 強い疲労感や意識混濁
- 特有の甘酸っぱい口臭(ケトン臭)
- 放置すると: 血液が極度に酸性化し、意識不明、昏睡状態に至る。
3. 最終的な致命的な状態
(1) 脱水ショック
- 極度の脱水と電解質異常が循環不全を引き起こし、ショック状態に。
- 臓器への血流が減少し、多臓器不全に進行。
(2) ケトアシドーシス性昏睡
- 血液の酸性化により中枢神経系が機能しなくなり昏睡状態に。
- 治療が遅れると死に至る。
(3) 高血糖高浸透圧症候群(HHS)
- 特に2型糖尿病患者で、ケトン体の増加が軽度でも、高血糖が極端に進行。
- 極度の高血糖により意識障害、脱水が進行し、致死率が高い。
4. 最終的な死因
- 重度の脱水による循環不全
- 心停止(電解質異常による不整脈)
- 多臓器不全
- 脳機能停止(昏睡からの回復不能)
糖尿病ではこのような経過を経て死に至るます。
今ではケトジェニックダイエットといっていますが、糖尿病患者にとっては死に至るダイエット方法なのです。