カヘキシア

カヘキシア(悪質液)

 

がんになってどんどん体重がへって痩せていく現象です。 

 

カヘキシアは、慢性疾患や重篤な病気によって引き起こされる体重減少、筋肉量の減少、全身の衰弱を伴う病態です。単なる「栄養不足」や「痩せ」とは異なり、体の代謝異常が関係しているため、通常の食事療法だけでは改善しにくい特徴があります

 

1. 慢性的な炎症反応

  • がんや慢性疾患によって、**サイトカイン(TNF-α、IL-6、IL-1βなど)**という炎症性物質が過剰に分泌される。
  • これにより、筋肉や脂肪の分解が促進され、同化作用(筋肉を作る働き)が低下する。

 

2. 代謝の異常

  • 通常、食事から摂取したエネルギーは脂肪として蓄えられるが、カヘキシアでは脂肪の異常な分解が起こり、体重が減少する。
  • 糖代謝や脂質代謝が異常になり、筋肉の異化(分解)が進むことで、栄養を摂取しても体重が増えにくい。

 

3. 食欲不振(アノレキシア)

  • 腫瘍や慢性疾患による食欲抑制消化吸収能力の低下により、栄養が十分に摂取できなくなる。
  • **胃の圧迫感や嘔気(吐き気)**も関与することがある。

 

4. ホルモン異常

  • インスリン抵抗性が起こり、筋肉や脂肪の合成が抑制される。
  • **コルチゾール(ストレスホルモン)**が増加し、筋肉の異化を促進する。

 

5. 原因となる疾患

カヘキシアは以下のような慢性疾患に関連して発生することが多いです。

  • がん(がん悪液質)
  • 慢性心不全(心臓カヘキシア)
  • 慢性腎臓病(CKD関連カヘキシア)
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 慢性肝疾患(肝硬変など)
  • リウマチ、HIV/AIDS、神経変性疾患(ALS、パーキンソン病など)