前立腺肥大のマーカーSPAが意外なことで上昇する?
前立腺肥大のマーカーSPAが意外なことで上昇する?
先日お客さんと話していたら、自転車のサドルでSPAが上がるという話を聞きました。 初耳でした。以下調べてみると確かにそうだだった。
前立腺肥大のマーカー「SPA(前立腺特異抗原:specific prostatic antigen)」が自転車のサドルで上昇するという現象は、物理的刺激による一時的な前立腺への影響によるものです。
SPA(=PSA)上昇のメカニズム:サドルが前立腺を刺激
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前立腺の位置関係
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前立腺は、膀胱のすぐ下にあり、直腸の前方、会陰部(股の間)に接しています。
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自転車のサドルはちょうどこの会陰部を圧迫します。
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物理的刺激による前立腺の炎症または漏出
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長時間のサドル圧が前立腺に軽い機械的刺激・圧迫を加えることで、前立腺の組織が一時的に微小な炎症を起こしたり、前立腺液の成分(SPA/PSA)が漏れ出しやすくなることがあります。
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その結果、血中SPA(PSA)の値が一時的に上昇します。
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特に影響を受けやすい条件
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前立腺肥大がある人(前立腺組織が大きい)
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自転車を長時間連続でこいだ場合(30分以上など)
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細身でサドルのクッション性が低い人
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通常は48時間以内に基準値に戻るとされています。
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多くの研究では、24~48時間で元の値に回復することが示されています。
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例えば、ある研究では健康男性に40km程度の自転車走行をさせた後、PSAが有意に上昇し、48時間後に平常値に戻ったことが確認されています。
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医師や検査機関では、PSA測定の前には以下のような注意事項が推奨されます:
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自転車、バイク、乗馬など、会陰部を圧迫する運動は前日~当日は避ける。
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射精も同様にPSA上昇の原因となるため、48時間前から避けること。
まさか自転車でマーカーが上昇するなんて驚きました。 でもこれは医学会でも当たり前のことですので医者からも注意を受けます。
もしこんな事さえご存じないドクターだったら、病院を変えた方がよろしいかと存じます。