文献情報 ペオニフロリンは、慢性的な予測不可能な軽度のストレスにさらされたマウスの空間学習と海馬の長期増強の障害を軽減します

文献情報 ペオニフロリンは、慢性的な予測不可能な軽度のストレスにさらされたマウスの空間学習と海馬の長期増強の障害を軽減します

 

Paeoniflorin attenuates impairment of spatial learning and hippocampal long-term potentiation in mice subjected to chronic unpredictable mild stress.

 

Psychopharmacology. 2019 Sep;236(9);2823-2834. doi: 10.1007/s00213-019-05257-5.

 

根拠・目的 : ペオニフロリンは、いくつかのうつ病モデル動物において抗うつ様作用を示すことが報告されており、また神経保護作用も示す。本研究では、抑うつ障害や認知障害を伴う動物モデルである慢性予測不能軽度ストレス(CUMS)を負荷したマウスにおいて、ペオニフロリン投与が抑うつ様行動や認知能力に及ぼす影響を検討した。

方法 シャクヤクから抽出され、複数の薬理作用を示す主要活性成分であるペオニフロリン(20 mg/kg)をCUMSマウスに投与した。その後、ショ糖嗜好性試験、強制水泳試験、尾懸垂試験などの抑うつ様行動試験を行った。学習・記憶能力を評価するためにモリス水迷路(MWM)課題を行った。海馬CA1の長期増強(LTP)を記録した。海馬の樹状突起棘密度、脳由来神経栄養因子(BDNF)とシナプス後密度タンパク質95(PSD95)の発現レベルも調べた。

結果.ペオニフロリンの投与により、CUMS誘発うつ様行動が抑制された。また、ペオニフロリンはMWMにおけるCUMSマウスのパフォーマンスを改善した。CUMSによる海馬CA1 LTPの障害も回復した。さらに、ペオニフロリン投与は、CUMSマウスの海馬における樹状突起スパイン密度およびBDNFとPSD95の発現の低下を予防した。

結論:我々の観察結果は、ペオニフロリンがうつ病における認知機能障害を予防する抗うつ薬の可能性を示唆している。

 

かなりの量のペオニフロリンを投与している。 20mg/kgというと人で60kgの人なら1200mgのペオニフロリン量になるため、弊社販売のエキスであれば、エキス量として15gというすさまじい量です。

まあそれでもうつに効果があるという証明ができていることは大きなことです。

シャクヤクは鎮痛鎮痙作用くらいしか漢方業界では認識されておらず、このようなうつに効果があるというのは驚きです。