潰瘍性大腸炎の治療薬としてのバイカリンとベルベリンのハイブリッド化合物の設計、合成、評価
潰瘍性大腸炎の治療薬としてのバイカリンとベルベリンのハイブリッド化合物の設計、合成、評価
Bioorganic & medicinal chemistry. 2020 Oct 15;28(20);115697. doi: 10.1016/j.bmc.2020.115697.
中国伝統医学(中医学)に由来する活性天然化合物の構造改変は、新薬開発において大きな利点を示している。
中医学では、「黄巾黄連」は数千年にわたり腸疾患の治療に用いられてきた古典的な「薬膳」であり、黄巾と黄連の主要な活性化合物はそれぞれバイカリンとベルベリンである。
BBHの抗菌活性をin vitroで測定した結果、元の合成物質(バイカリンとベルベリン)と比較して、プロテオバクテリアに対して最も優れた抗菌活性を示した。
また、BBHの潰瘍性大腸炎に対する効果をin vivoで検討したところ、BBH投与により潰瘍性大腸炎の病状が有意に改善され、大腸障害が予防された。
さらに、BBHは大腸組織におけるSOD、MPOの活性および炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1β、IL-6)の発現を調節することにより、有意な抗炎症作用を示した。
また、BBHはバイカリンやベルベリンよりも大腸障害改善作用に優れていることが示唆された。このことから、新規ハイブリッド化合物BBHは潰瘍性大腸炎に対してより高い効果を示すことが示唆された。