セロトニンはアトピー皮膚炎に関係するのか

セロトニンはアトピー皮膚炎に関係するのか

 

腸内細菌とアトピー皮膚炎は関連することはわかっていますが、その長名で9割つくられるセロトニンはアトピー皮膚炎に関連があるのかどうかチェックしてました。

 

 

脳内での働き

  1. 気分の安定: セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分の調整や不安の軽減に寄与します。不足すると、うつ病や不安障害などの精神疾患のリスクが高まるとされています。

 

  1. 睡眠調節: メラトニン(睡眠ホルモン)の前駆体として、睡眠と覚醒のリズムを調整します。

 

  1. 食欲の調整: 食事の満足感や食欲をコントロールします。

 

  1. 痛みの制御: 痛みの感受性を調節する働きもあります。

 

腸内での働き

  1. 消化機能の調整: 腸の蠕動運動を促進し、食べ物の移動を助けます。

 

  1. 腸内の感覚調整: 腸の神経ネットワーク(腸管神経系)に作用して、腸の感覚を調節します。

 

 

現在脳内セロトニンの薬はあります。ほとんどの精神薬はこのたぐいです。

 

しかし腸内のセロトニン作動性の薬はないです。

 

脳内セロトニンは全体の5%。 あとは95%腸管で作られています。

 

 

脳内セロトニンの合成

  • 場所: 主に中枢神経系の縫線核にあるニューロン内で合成されます。
  • 酵素の種類: 脳内では**TPH2(トリプトファン水酸化酵素2)**が主に使用されます。
  • 制御: 脳内のセロトニン濃度は、トリプトファンの供給や酵素活性、神経伝達の需要に応じて厳密に調整されています。

腸内セロトニンの合成

  • 場所: 腸管粘膜に存在する**腸内クロム親和性細胞(EC細胞)**で主に合成されます。
  • 酵素の種類: 腸内では**TPH1(トリプトファン水酸化酵素1)**が主に使用されます。
  • 制御: 腸内セロトニンの産生は、食事(特に炭水化物や脂質)、腸内細菌、消化管の状態などによって影響を受けます。

 

腸内セロトニンとアトピー性皮膚炎の関連性

 

  1. 免疫調節作用:

    • 腸内で産生されるセロトニンは、免疫細胞(T細胞やマクロファージなど)の機能に影響を与えます。
    • アトピー性皮膚炎では、Th2型免疫応答が過剰に活性化されていますが、腸内セロトニンがこの免疫応答を促進または抑制する可能性があります。

 

  1. 炎症反応への影響:

    • セロトニンは炎症性サイトカイン(例:IL-4、IL-13)を調節する働きを持ちます。これらのサイトカインはアトピー性皮膚炎の病態に関与しています。
    • 腸内セロトニンの過剰産生や不足が、全身の炎症反応に影響を及ぼし、皮膚炎症を悪化させる可能性があります。
    •  
  2. 腸-皮膚相関:

    • 腸と皮膚は「腸-皮膚相関(Gut-Skin Axis)」と呼ばれるメカニズムを通じて相互に影響を与えます。
    • 腸内細菌叢がセロトニン産生に影響を与え、これが皮膚のバリア機能や炎症に間接的に影響を及ぼす可能性があります。

 

  1. 腸内細菌の役割:

    • 腸内細菌はセロトニンの前駆体であるトリプトファンの代謝や、腸内セロトニンの調節に関与します。
    • アトピー性皮膚炎患者では腸内細菌叢のバランスが乱れていることが多く、このことがセロトニン産生に影響を及ぼし、病態に関与する可能性があります。

 

 

研究例と証拠

  1. 動物実験:

    • 腸内セロトニンの産生を抑制することで、アトピー性皮膚炎モデルの炎症が軽減されたという報告があります。
    • 一方で、セロトニン受容体を活性化すると、炎症が悪化する場合もあるため、セロトニンの作用は状況によって異なる可能性があります。

 

  1. ヒト研究:

    • アトピー性皮膚炎患者では、腸内細菌叢の変化に伴い、セロトニン代謝に関わるトリプトファン経路が異常を示すことが報告されています。

 

以上のことから腸内細菌とセロトニンの関係 アトピー皮膚炎の関連性まであるようです。

 

いよいよ小児アトピー皮膚炎の関連性がわかってきたように思います。