コラーゲン誘発関節炎における抗酸化剤と炎症性サイトカインのレベルを調節することにより発揮される20‑ヒドロキシエクジソンの有益な効果…

コラーゲン誘発関節炎における抗酸化剤と炎症性サイトカインのレベルを調節することにより発揮される20‑ヒドロキシエクジソンの有益な効果:関節リウマチのモデル。

Molecular medicine reports. 2017 Nov;16(5);6162-6169. doi: 10.3892/mmr.2017.7389.

 

関節リウマチは、滑膜の炎症反応の亢進を特徴とする慢性の自己免疫疾患であり、主要関節の関節軟骨の破壊や浸食を伴う。 本研究の目的は、コラーゲン誘発関節リウマチ(CIA)モデルラットにおいて、20-ヒドロキシエクジソン(HES)が酸化ストレスおよび炎症反応を改善できるかどうかを検討することであった。

 

合計40匹の健康な雄ラットを任意に選択し、4群に分けた。 生理食塩水を投与したラットを対照群(I群)、牛コラーゲンII型の皮内注射によりCIAを誘導したラットを誘導群(II群)、CIAを誘導し10mg/kgおよび20mg/kg体重のHESを28日間投与したラットを治療群(III群およびIV群)とした。 肉球の腫脹(浮腫)、関節炎スコア、胸腺と脾臓の指標、抗酸化物質レベル(スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオン)、関節エラスターゼ、抗コラーゲンII特異的免疫グロブリン(Ig)Gなどの生化学的パラメータを測定した、

 

IgG1およびIgG2aに加え、炎症マーカー[一酸化窒素、C反応性タンパク質、インターロイキン(IL)-1β、IL-6、腫瘍壊死因子-αおよび核因子-κB p65サブユニット]が有意に減少した(P<0.01)。HES(10/20mg/kg)投与後、有意に減少した。 同様に、誘導性一酸化窒素合成酵素とシクロオキシゲナーゼ-2のタンパク質発現パターンは、HES投与により有意に低下した(P<0.01)。

 

さらに、組織学的解析により、CIA誘発ラットでは関節炎が確認され、多形核細胞の浸潤が多く、関節軟骨が浸食され、滑膜炎が顕著であった。 しかしながら、HESの投与は、滑膜関節の形態学的変化を緩和し、正常な構造を維持することが示された。 結論として、本研究の結果から、HES(特に20mg/kg)の投与は、CIA誘発ラットの炎症カスケードと酸化ストレスプロセスを効果的に根絶し、それによって抗関節リウマチ特性を示す可能性が示された。