ジヒドロミリセチンは、HT22 細胞における JNK 炎症経路を阻害してフェロプトーシスを抑制することで、高血糖によって引き起こされる神経…
ジヒドロミリセチンは、HT22 細胞における JNK 炎症経路を阻害してフェロプトーシスを抑制することで、高血糖によって引き起こされる神経毒性を軽減します。
Neuroscience. 2025 Jan 26;565;40-51. doi: 10.1016/j.neuroscience.2024.11.061.
糖尿病は認知機能障害の重要な原因として認識されている。糖尿病性認知機能障害(DCD)にはフェロプトーシスが重要な役割を果たしている。ジヒドロミリセチン(DHM)には神経細胞保護作用が期待されているが、そのメカニズムは不明である。ここでは、HT22細胞におけるHG誘発神経毒性に対するジヒドロミリセチンDHMの効果とその分子メカニズムについて検討した。その結果、HG(125mmol/L)誘導HT22細胞の生存率は有意に低下した。さらに、フェロプトーシス関連指標、c-Jun N末端キナーゼ(JNK)炎症経路、TNF-α、IL-1β、ミトコンドリア形態を測定した。その結果、HT22細胞のミトコンドリアもまた、HG処理に反応してしわくちゃな変化を示した。一方、グルタチオン(GSH)とグルタチオンペルオキシダーゼ4(GPX4)のレベルは低下し、それに伴ってマロンジアルデヒド(MDA)、Fe2+、アシル-CoA合成酵素長鎖ファミリーメンバー4(ACSL4)、活性酸素種(ROS)が上昇したことから、HG誘導HT22細胞ではフェロプターシスが生じたことが示された。さらに、HG誘導HT22細胞ではp-JNK、TNF-α、IL-6のレベルが上昇した。ジヒドロミリセチンDHMまたはJNK阻害剤SP600125は、HG誘導HT22細胞におけるこれらの変化を逆転させたことから、HG誘導HT22細胞における神経毒性は、JNK-炎症因子経路によって誘導されるフェロプターシスに関連している可能性が示された。一方、JNKアゴニストであるアニソマイシンは、ジヒドロミリセチンDHMのこれらの作用を減弱させることができた。以上のことから、ジヒドロミリセチンDHMはJNK-炎症シグナル経路を介してフェロプターシスを阻害することにより、HT22細胞におけるHG誘発神経毒性を改善することが示唆された。従って、ジヒドロミリセチンDHMは糖尿病性認知機能障害DCDに対する新規かつ有望な治療介入となる可能性がある。
糖尿病と認知症が関連があるとはねえ 知りませんでした。
またジヒドロミリセチンは藤茶に含まれる成分であり、現在めちゃめちゃ研究されている物質です。 広西省の産地に行った時に、この藤茶をお茶のようにして毎日飲んでいるといっている少数民族の話を思い出します。 病気がなく皆ピンピンコロリだそうでした。
このジヒドロミリセチンには現代の日本人には必要な成分かもしれないですね。