ゴツコーラの成分 アシアコチド

ゴツコーラの成分 アシアコチド

 

アシアコシドと BDNF/NGF に関する主な研究

 

1. Hippocampal BDNF 信号経路の活性化による抗うつ作用
Zhou et al. (2025)によるマウスの慢性拘束ストレスモデル研究では、アシアコシドが海馬CA1領域で BDNF とその受容体 pTrkB の発現を有意に増加させました。また、神経結合タンパク質(PSD‑95, synapsin I)の増加も確認され、これらが行動指標の改善(抗うつ効果)と相関していました。さらに、pTrkB 阻害剤 K252a によって抗うつ作用が消失したことから、BDNF‑TrkB 経路が作用機序の核心であることが示されましたPubMed+4PubMed+4PMC+4
 
2. BDNF/Nrf2/GPX4 シグナル経路の活性化
別の同様に CRS ストレスモデルを用いた研究では、アシアコシドがBDNF/Nrf2/GPX4 経路を活性化し、神経フェロトーシス(鉄依存性細胞死)を抑制したことが報告されています。これにより、海馬 CA1 神経細胞のミトコンドリア構造維持や行動改善が伴いましたPubMed+1PMC+1
 
3. Gotu Kola(Centella asiatica)抽出物による BDNF 増加
  • Ar Rochmah et al. (2019):ラットの慢性ストレスモデルにおいて、ツボクサ抽出物の投与によって海馬における BDNF レベルが有意に上昇し、記憶/認知機能の改善が確認されましたPubMed
  • 別の研究(Rat prefrontal cortex)では、継続的なツボクサ葉エタノール抽出物投与によって前頭前皮質における BDNF/TrkB 発現と ERK1/2 経路活性がアップし、認知行動にも効果があったことが示されていますPMC+14PubMed+14PMC+14
 
4. Phytosomal 様製剤による PFC の BDNF 増加
Centella asiatica とターメリック(Curcuma longa)を含むフォトソーム製剤を10日間ラットに投与したところ、前頭前皮質で BDNF 発現(特にmBDNF)が大幅に増加し、mTOR-S6 軸を介したタンパク質合成シグナルの活性化も観察されました。これにより認知機能向上の可能性が示唆されていますPubMedPubMed
 

 

 

論文・モデル
対象部位
主な結果
Zhou et al., 2025 (CRSマウス)
海馬 CA1
BDNF ↑, pTrkB ↑, PSD‑95 / Synapsin I ↑、抗うつ行動改善Reddit+2PubMed+2PubMed+2
Ar Rochmah et al., 2019 (ラット慢性ストレス)
海馬
BDNF ↑、TNF‑α ↓、記憶改善PubMedPMC
Centella asiatica 抽出物投与(PFC)
前頭前皮質
BDNF/TrkB/ERK1/2 ↑、認知機能改善PubMedPMC
Centella‑Curcuma phytosome
前頭前皮質
mBDNF ↑、mTOR‑S6経路活性↑、タンパク質合成促進PubMedPubMed
 

 

結論

  • アシアコシドを含む Centella asiatica 成分は、BDNF(とその受容体TrkB)の発現を増加させることが複数の動物モデルで確認されています。
  • 特に、海馬(記憶・感情の中枢)や前頭前皮質(認知機能に関与)において、BDNF を介した神経可塑性の促進が明らかになっています。
  • NGF(神経成長因子)に特化したデータは少なく、主に BDNF 中心の研究がメジャーですが、他の研究ではアシアチン酸がNGF誘導にも寄与する可能性も示唆されています(例:PC12 細胞で neuronal differentiation)