利水という概念

利水という概念

 

この利水作用というのは、人間は70%くらいが水分でできているにもかかわらず、現代医療ではこの水分に対してはあまり研究されておらず、薬も1つもありません。漢方にはあります。 

 

利水作用というのは、この水分を循環させて、ごみを取り、体液をきれいにする作用のことをいいます。

 

プールで例えるのであれば、水を循環させてごみをとらないと、藻が発生したり、落ち葉、昆虫の死骸などが落ちてきてプールの水が濁ってしまいます。 利水作用というのはこのプールの水を濁らせない、腐らせないために循環させて、ごみをとる作用のことをいいます。

 

体内のごみは2つあります。 1つは体液に溶けているゴミです。このごみは血液に入り、腎臓に運ばれて、腎臓で捨てられます。  1日に濾過している血液は150Lから180Lです。

体重60kgの人であれば5L程度の血液となりますから、腎臓は30回から36回も一日に濾過している計算になります。

 

EGFRで考えてみると、EGFR60の人は一時間に3.6Lの濾過機能となり、一日では86Lの濾過量となります。 前述の150Lの濾過量から逆算してみるとEGFRが104となります。

 

このろ過量から逆算したEGRFが104という数字から考えると現代の日本人の腎機能がいかに低下しているのかわかります。 それも60以上で正常値という基準です。 17回しか濾過できていません。 今までの常識では30回ですから、ほぼ半分です。

人工透析をする基準はEGFRが一桁です。 EGFRが5としましょうか。逆算すると、血液の濾過は7.2Lとなり、1回くらいしか濾過できていないことになります。

また人工透析と言っても、現代の医療では腎臓の代わりになるような透析技術はありません。なんらかの支障が出てきます。薬も飲まないといけないし、カリウム規制もあります。野菜はカリウムが多いためにまず食べれません。

 

体のごみはもう1つあります。それは水に溶けないゴミです。細胞の死骸、たんぱく代謝物などです。これは血液にはいれないので、体液としてリンパを使い、最終的には大腸から捨てられます。

また頭には脳脊髄液という体液があり、一日に3回から4回循環しているといわれています。脳は脳脊髄液に浮かんでおり、この脳脊髄液の循環が悪いと気圧性の頭痛が発生します。 脳脊髄液の循環が悪いと頭痛だけではなく、悪心、吐き気、ぴかぴか光る前兆を伴う片頭痛、耳鳴りなど中枢性の症状がおきます。 それは気圧が変化することで脳が沈み込み、神経を引っ張ってしまうためにおこる不定愁訴となります。

この脳脊髄液の循環に効くのが、五苓散(ごれいさん)です。小林製薬さんとロート製薬さんはさすがですねえ。 商品化して頭痛薬の棚にしっかり収まっています。

ただ小売店での理解がほとんど理解されていないので、勧めることは殆どありません。

 

この頭のごみは脊髄に運ばれて、脊髄からリンパを使って大腸へ運ばれて捨てられます。

こうして頭のごみ、體のごみが大腸に捨てられて體を常にきれいにしているのです。

 

體にごみがたまると疲れが取れなかったり、體のごみが抗原になって、自己免疫疾患を起こします。リウマチ、シェーグレン症候群などの膠原病です。 

 

頭からごみが排出できなくなると、最終的にはβアミロイドといわれるシミが原因で認知症になってしまうことでしょう。

 

利水作用というのは現代人にとって、特に日本人にとって大変重要な作用であります。