膵臓の薬「百草丸」

膵臓の薬「百草丸」

 

百草丸は正真正銘の和方薬です。 

処方内容は以下の通りです。 多少メーカーによって多少違います。

 

オウバク、コウボク、センブリ、ゲンノショウコ、ビャクジュツが配合成分です。

 

効能効果は以下の通りです。

 

食べ過ぎ,飲み過ぎ,胸やけ,胃弱,食欲不振(食欲減退),消化不良,胃部・腹部膨満感,もたれ,胸つかえ,吐き気(むかつき,胃のむかつき,二日酔・悪酔のむかつき,嘔気,悪心),嘔吐

 

なんと幅の広い効能でしょうか。

 

最近膵臓の処方を考えている時に、すい臓の薬はインスリンのコントロールくらいしかないなあと気が付きました。

でも膵臓は膵液としての消化液をつくり分泌している機能があります。

 

最近の症例ですが、男性の下痢は多くは神経性で、ストレスが過度にかかると下痢になります。 抗ストレス剤であるペオニフロリンを投与してみても、下痢が止まらない症例がでてきました。 ちょっと調べてみると、機能性消化不良における下痢というのがあることがわかりました。これは膵液が十分に出ずに、消化不良を起こして下痢になってしまう症状です。

 

膵臓の働きを高めるのには、苦味が重要であることがわかりましたので、その患者さんには、百草丸を飲んでもらうようにお話ししたところ、15年も続いていた慢性の下痢が止まったとのことでした。大変喜んでおりました。

 

下痢にもいろいろな種類があるんですねえ。 急性はわかりやすいですが、慢性は原因を突き止めないと薬は効きません。

 

膵臓の機能を高めるのにはオウバク、センブリは重要な薬味であることがわかりました。

 

よって百草丸は古くて新しい、温故知新の膵臓の薬といえます。 和方薬はすごいです。