寿命は伸ばせるのか?
寿命は伸ばせるのか?
人間の寿命は120歳といわれています。その根拠は細胞分裂していくと遺伝子が短くなってしまい、120歳が限界というところにあります。
ヘイフリックの成長限界といい、細胞が死ぬまでの分裂回数が決まっているそうです。
そのキーとなるのがテロメアという遺伝子です。このテロメアがどんどん短くなっていくというのです。
このテロメアを復元するのがテロメアーゼという酵素です。 このテロメアーゼを意識的に活性化させれば、テロメアーゼが伸長して寿命がのびるのではないかといわれています。
この限界に達した細胞はアポトーシスで自殺していくか、免疫細胞に貪食されるかです。
そこで、問題となるのがそのまま残ってしまう老化細胞ですが、ここでは老化細胞の話は止めておきます。
このテロメアーゼを活性化させるのがなんとオウギなんです。
根拠となる論文です。
〇シクロアストラゲノールとアストラガロシドIVはテロメラーゼを活性化し、高グルコース誘発性の老化とアポトーシスから髄核細胞を保護します。
Experimental and therapeutic medicine. 2021 Nov;22(5);1326. doi: 10.3892/etm.2021.10761.
糖尿病による椎間板変性症(Db-IVDD)では、髄核細胞(NPC)の老化とアポトーシスが主要な要因である。老化とアポトーシスの主な原因として、テロメアの減少とテロメラーゼのダウンレギュレーションが挙げられます。ハトムギの誘導体であるCycloastragenol(CAG)とAstragaloside IV(AG-IV)は、テロメア短縮に対する有効なテロメラーゼ活性化剤であると報告されているが、Db-IVDDにおける効果は検討されていない。本研究では、これらの誘導体が老化、アポトーシス、テロメア、テロメラーゼに及ぼす影響を、ラット初代NPCを用いた高グルコース(HG)誘導ストレスモデルで同時に検討した。NPCをHG(50 mM)で刺激し、HG誘発ストレスを発生させ、CAGおよびAG-IVの効果を観察した。i) 老化マーカーp16の発現レベル、ii) β-Gal染色、iii) アポトーシスマーカーcleaved-caspase 3 (c-C3), BAX, Bcl-2の発現レベル、iv) テロメラーゼ活性化にはテロメラーゼ逆転写酵素 (TERT) mRNAとタンパク質発現、テロメア長は逆転写-定量PCRで測定された。細胞増殖は、Cell Counting Kit-8アッセイを用いて測定した。その結果、p16、c-C3、BAXの発現レベルが上昇し、β-Gal染色が増加することが示されたが、Bcl-2の発現レベルは濃度依存的に低下した。CAGおよびAG-IVで前処理したNPCは、p16、c-C3およびBAXのタンパク質発現レベルを低下させ、β-GalおよびFITC染色の割合を減少させ、一方でBcl-2の発現を増加させた。これらの効果は、HGストレス誘発の老化とアポトーシスから細胞を保護した。HGはまた、グルコース濃度依存的にTERTの発現プロファイルを低下させ、テロメア長を短縮させた。一方、CAGとAG-IVの前処理はTERTの発現を増加させ、テロメアの減少を改善した。また、CAGおよびAG-IVは、HG条件下で細胞増殖を増加させ、細胞形態を改善した。これらの結果から、CAGおよびAG-IVは、HGストレスによる老化およびアポトーシスを抑制し、さらにテロメラーゼの活性化およびテロメアの長鎖化を促進することが示唆された。したがって、CAG および AG-IV は、NPC の複製能と寿命を延長し、Db-IVDD の治療薬となる可能性があることがわかった。
オウギを使うことで寿命がのびるかもしれませんね。 でも健康寿命でないと意味がありませんが。