金子みすゞさん

金子みすゞさん

 

この方は大正時代末期から昭和にかけて活躍した日本の童謡詩人です。名前は知らないでも童謡詩はご存じの方は多いのではないでしょうか。 小学校の教科書にも載っているくらいですから。

26歳という短命で亡くなっています。 それまでに500編の詩を残しています。

 

なくなってから半世紀はぼぼ忘れされられていましたが、1980年代に脚光を浴びて再評価されました。

死んでから評価されてもねえ。

 

当時このような考え方をもっていると、それも女性だと生きずらかったんだろうなと容易に想像がつきます。

 

 

「みんなちがってみんないい」

これなんてまさに今いわれている個別化、個性のことをいっていますよね。

時代が早すぎたのでしょう。

 

 

和多志が度肝抜かれた詩は次の通りです。

 

「浜は祭りのようだけど、海の中では、何万のイワシの弔い、するだろう」

 

このような感性をもった人が大正時代にいたとは、、、、。富国強兵で強いものが勝つ。弱肉強食がまかり通っていた時です。

 

周囲には全く理解されなかっただろうな。 そうかなと思っても、そんな弱いことをいっていたら自分が食われるみたいな。

 

でももう少し突っ込んだ考えからすると、私たち人間は生きている生物を食べて命をつないでいることは間違いなく、必要以上に乱獲しないで、取ったイワシも無駄にせず、有効利用する、そのイワシを食べる時は命をいただきます。ときちんと関して食べるというところに行き着くわけです。

 

まさにこれは日本人の本質にふれる詩ではないかと思うわけです。

 

日本人の特質はたくさんありますが、この相手の立場を理解するという考え方は実に日本人らしいのではないかと。それも人間同士ならまだしも、このイワシに対しても人間同様の感情をもつというのはすごい民族ではないかと。