骨形成タンパク BMPとは
骨形成タンパク BMPとは
骨形成タンパク質(Bone Morphogenetic Protein, BMPの働きは以下の通りです。
主要な特性
〇成長因子: BMPは、TGF-β(Transforming Growth Factor-beta)スーパーファミリーに属するタンパク質で、細胞の成長、分化、およびアポトーシス(細胞死)を調節します。
〇多様な種類: BMPファミリーには、BMP-2、BMP-4、BMP-7など複数の種類があります。それぞれが異なる組織や細胞において特有の機能を持っています。
〇シグナル伝達経路: BMPは、細胞表面の受容体に結合し、Smadタンパク質を介したシグナル伝達経路を活性化することで、細胞の遺伝子発現を変化させます。
主要な役割
〇骨形成: BMPは骨芽細胞の分化を促進し、新しい骨の形成を誘導します。これにより、骨折の治癒や骨移植において重要な役割を果たします。
〇軟骨形成: BMPは軟骨細胞の分化をも促進し、軟骨の形成にも寄与します。
〇再生医療: BMPは再生医療や組織工学の分野で広く利用されています。例えば、骨の再生を促進するためのバイオマテリアルやデバイスにBMPを組み込む研究が進められています。
臨床応用
〇骨折治療: BMP製剤は、難治性の骨折や脊椎融合術などにおいて使用され、骨の治癒を促進するために用いられます。
〇整形外科手術: BMPは骨移植の代替としても使用され、骨の欠損部位の修復に役立ちます。
和多志が注目しているのはこのBMPの暴走による體の石灰化現象です。
血管の石灰化
BMPは、血管の平滑筋細胞に作用して骨芽細胞様の分化を促進し、血管の石灰化を引き起こすことがあります。これは、動脈硬化症や慢性腎臓病などで観察されることがあります。BMP-2とBMP-4は特に血管の石灰化に関与していることが示されています。
関節の石灰化
関節の石灰化(関節石灰沈着症)は、関節内で異常なカルシウム沈着が起こる状態です。BMPの過剰な活性は、関節内の細胞に対して骨形成シグナルを送ることがあり、これが関節石灰沈着症の原因の一つになる可能性があります。
視床下部の石灰化
視床下部の石灰化についての直接的な研究は少ないですが、BMPは中枢神経系の発達や機能にも関与していることが知られています。異常なBMPシグナル伝達が視床下部などの脳内で石灰化を引き起こす可能性は理論的には考えられますが、具体的な証拠は限られています。
総合的な視点
BMPが異所性石灰化を引き起こすメカニズムは複雑で、以下の要因が関与することが多いです:
〇BMPの過剰発現: BMPが異常に高いレベルで発現すること。
〇BMP受容体の変異: BMPシグナル伝達経路の異常。
〇局所環境の変化: 炎症や代謝異常などがBMPの作用を変える。
結論
BMPは骨形成において重要な役割を果たしますが、その過剰な活性や異常なシグナル伝達が血管、関節、視床下部などの異所性石灰化を引き起こす可能性があります。これらの異所性石灰化は複雑なメカニズムを介して発生し、さらなる研究が必要です。臨床応用においては、BMPの使用量や適用部位を慎重に管理することが重要です。
現代医療では石灰化というのはまったく触れていません。しかし研究上ではここまでわかっています。
本当に人間生体内では複雑すぎてしまい、研究すればするほどよくわからなくなる状況です。
和多志はこの石灰化というのは脊柱管狭窄症につながっているのかなと思っています。
石ができやすい人、動物性たんぱく質をたくさん摂る人、血液のpHが6程度の人などはいろいろ石灰化が進む要因があるのではないかと存じます。