ウロモジュリン
ウロモジュリン
ウロモジュリン(Uromodulin)、別名タム・ホースフォールタンパク(Tamm-Horsfall protein, THP)は、腎臓のヘンレ係蹄(Henle’s loop)の上行脚で主に産生される糖タンパク質です。以下にウロモジュリンの主要な機能と役割について説明します。
主要な機能と役割
〇尿路防御機能:
・細菌付着の防止: ウロモジュリンは尿中に分泌され、細菌の尿路上皮への付着を防ぎます。特に大腸菌などの尿路感染症の原因菌に対する 防御機能があります。
・免疫系のサポート: ウロモジュリンは、抗菌ペプチドや免疫細胞との相互作用を通じて、尿路感染症の防御に寄与します。
〇尿濃縮メカニズムの調節:
・ウロモジュリンは、腎臓の尿濃縮メカニズムにおいて役割を果たします。特に、ヘンレ係蹄の上行脚でのナトリウム再吸収に関与し、尿の濃縮と浸透圧の調節をサポートします。
〇結晶抑制作用:
・ウロモジュリンは、尿中でのカルシウム結晶やその他の結晶の形成を抑制し、腎結石の形成を防ぐ役割を持っています。
〇タンパク尿防止:
・正常な条件下では、ウロモジュリンは尿中に含まれる唯一の大量のタンパク質です。ウロモジュリンの機能障害は、腎疾患のマーカーとして重要であり、特にタンパク尿の検査で使用されます。
〇免疫調節:
・ウロモジュリンは、免疫系の調節にも関与しています。例えば、特定の免疫細胞(マクロファージや樹状細胞)と相互作用し、免疫応答を調節します。
臨床的意義
- 腎疾患の診断:
- ウロモジュリンの尿中濃度は、さまざまな腎疾患の診断および予後判定に利用されます。例えば、慢性腎臓病(CKD)や急性腎障害(AKI)の患者では、ウロモジュリンのレベルが異常になることがあります。
- 遺伝性腎疾患:
- ウロモジュリン関連腎症(Uromodulin-associated kidney disease, UAKD)と呼ばれる遺伝性疾患があり、ウロモジュリン遺伝子の変異が原因で慢性腎不全を引き起こします。
まとめ
ウロモジュリンは、尿路の防御、尿濃縮の調節、結晶抑制、免疫調節など、腎臓の健康維持において多岐にわたる重要な役割を果たしています。腎疾患の診断や予防においても、ウロモジュリンは重要なバイオマーカーとなります。
ようはこののウロモジュリンがきちんと機能していれば尿路感染症、頻尿などは起こりえないということです。このウロモジュリンはeGFRの低下によって働かなくなるということですから、できるだけeGFRは下げたくないものです。むしろ上げたいがあげれるものがない。
これは和多志の次のテーマです。