言必信行必果

言必信行必果

 

この言葉は田中角栄さんが、日中国交回復のために中国に訪れた際、周恩来さんから送られた色紙に書いてあった文言です。

 

一見素晴らしい内容に見えますが、論語を知っている人は、あなたは三流なんですよと言われていたのです。

 

論語での士の定義のうち、3番目の最低の格を表す言葉なのです。

 

これを政界、財界、マスコミも誰も知りませんでした。 それを指摘したのは安岡正篤さんでした。

 

周恩来にバカにされていることに気が付かないとは、愚かなことであると。

 

士の一番格上は「行己有恥、使於四方不辱君命」であり、わが身のふるまいに恥を知り、四方に使いして、主君の命を損なわない者

 

2番目は「宗族称孝焉、郷党称弟焉」であり、一族から孝行ものといわれ郷里の人から悌順(兄や長兄に従順なこと)だとほめたたえられる者

 

3番目が「言必信行必果」言ったからには約束を守り、実行すること。

 

 

周恩来さんはこのような色紙を渡して田中角栄さんの反応を見ていたのでしょうねえ。

 

そして田中角栄さんが失敬だなということを言い出せば、この方はきちんとこの意味を理解している方で、侮れないなとなったということです。

 

なかなか外交とは難しいものですね。色紙がリトマス試験紙だったとは。