忖度とは何か
忖度とは何か
忖度は日本人なら骨の髄までしみ込んでいる言葉である。
相手の気持ちを推し量って配慮することと説明されています。
相手の気持ちを推し量るというのはどういうことでしょうか?
それは相手の気持ちを推量する、検討をつけるという意味です。
つまり忖度というのは相手がこう思っているだろう、こうしたがっているだろうと類推して、先回りして発言や行動を行うことです。
石田三成が茶を所望する豊臣秀吉にたいして、まずぬるめの薄い茶をだして、次にはやや熱めのお茶を半分、三杯目には熱く濃いお茶をだして秀吉の関心を買ったというエピソードがあります。
これは喉が渇いていた秀吉を察し、のどの渇きが落ち着いたらお茶を楽しみたいという気持ちを察した話です。
これが忖度です。
相手をよく見て、今どんな状況なのか、どうしてお茶を欲するのか? その情報から相手はどんな欲求があるのかを推察して対応するということが忖度の意味あいです。 これもなかなか英語にはしにくい言葉です。
日本において一番の忖度は天皇に対してでしょう。 天皇に対しては意見は行ってはいけないので、すべて忖度で対応することになっています。
それが拡大解釈されて、部下は上司に意見してはならないという風潮が日本にはあると思います。
意見せず、忖度して発言や行動を起こすことが組織では尊ばれています。 上司は「お!わかっているじゃないか」となるわけです。
上司の意に沿っていればいいですが、沿っていない場合もありますし、沿っていても問題になればそんな指示は出していないとなります。
上司にとっては忖度制度というのは実に都合がいいのです。
政界、財界、上に行けば行くほど忖度社会が理解できないと出世できないでしょう。
ある意味忖度というのは超能力者的能力と言ってもいいかと思います。
上司の気持ち、背景、野望などを徹底的に理解して、次にどんな手を打つのかを考えて手を打っていく。 将棋のような世界です。
正攻法、裏をかいたり、A案、B案バックアップを考慮したりします。
戦略家ではないと忖度はできないでしょう。
では忖度という漢字について考えてみます。
忖度の忖は仮定するという意味です。 そのままですね。 心に寸という漢字です。
度はその時という意味です。
つまり今の時の仮説という意味になるかと思います。
組織であまり忖度ばかりしているとごますりと勘違いされてしまいますのでご注意ください。
忖度は言い換えれば、「人たらし」です。 相手の気持ちを察し行動することになるからです。 男女関係なくたらす人はいいですが、
女性だけにたらすと女たらしとなってしまうので要注意です。
人たらしできる人は人望があります。 常に相手のことを考えて気持ちを察し行動する訳ですから、そりゃ虜になります。
この人についていこう! この人のためなら!という関係になります。