ポリヴェーガル理論
ポリヴェーガル理論
ポリヴェーガル理論は、私たちの自律神経系(特に「迷走神経」と呼ばれる神経)がどのようにして感情や行動に影響を与えるかを説明する理論です。
この理論は、特に人が危険を感じた時や安全を感じた時の反応を理解するのに役立ちます。主に3つの状態があると考えられています。
〇安全とつながりの状態(社会的交わりのモード)
この状態では、人は安全やリラックスを感じ、他者と積極的に交流できます。自律神経系が落ち着き、リラックスしているため、社交的で楽しい感情が湧きやすくなります。迷走神経の「腹側迷走神経」という部分が働きます。
〇戦うか逃げるかの状態(交感神経モード)
何か危険を感じた時、人は「戦う」か「逃げる」かのどちらかで反応しやすくなります。この時、交感神経系が優位になり、心拍数や呼吸が早くなって身体が警戒モードに入ります。この反応は、私たちが危険を回避するための防御的なシステムです。
〇フリーズ(凍りつき)の状態(背側迷走神経モード)
逃げたり戦ったりできないほど強いストレスや危険を感じると、「フリーズ」、つまり動けなくなることがあります。この状態では、迷走神経の「背側迷走神経」という部分が働き、エネルギー消耗を抑えるために、身体は動きを止め、無気力になったり感情が抑制されたりします。
ポリヴェーガル理論は、これらの状態が私たちの日常や人間関係にどのように影響を与えるかを理解するための有力なツールです。
例えば、リラックスして安全を感じていると、社交的で親しみやすくなりますが、ストレスを感じると不安や怒りが出やすくなります。
また、過度のストレス下では、閉じこもったり、無気力になることもあります。この理論は、特に心理療法やトラウマ治療などで役立ちます。
交感神経、副交感神経は広く認知されていますが、迷走神経に関しては言葉は知っているけど、その働きはなんなのかよくわかりませんでしたが、この理論で説明できるのですね。