英語に訳せない日本語 生き甲斐
英語に訳せない日本語 生き甲斐
この日本語も英語になかなか訳せないですねえ。
この言葉は生きるという言葉と甲斐という言葉の合成語です。
生きるとは生命を保つという意味。 preserve life
甲斐はするだけの価値があるという意味。 it’s worth item
したがって生きがいとはpurpose in life という意味で置き換えられそうです。少なくとも翻訳アプリでは。
ただ感覚としてpurposeというのは目的の印象が強く、甲斐は英語には存在しないでしょう。 あえて訳すなら fulfiiment and pursose このfulfillmentが必要となります。 満足感です。
目的を達したという淡々なことではなく、目的を達して、満足してニコニコしている感じでしょうか。
英語圏はノンバーバルでの言語で淡々とした英語を補う必要がありますが、日本語は言葉に悔しさ、嬉しさ、恥かしさ、女々しさなどの感情や思い、情景、温度湿度、この三次元での現象やにその時に感じる思いまで含まれているのでノンバーバルコミュニケーションは発達しなかったのではないかと思います。 言葉や文字ですべてが伝わってしまうからです。
生きるというのは問題ないでしょうが、問題は甲斐です。
この甲斐というのは、古語である「かふ」に由来し「かふ」が「かひ」が名詞化したのが「甲斐」。代わりになることができる物事という意味でしたが、現代ではしたことの結果としてのききめ、効果、またするだけの値打ちという意味で使います。
このような表現を英語で伝えるには以下のように状況に応じて訳す必要があります。
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努力や行動の価値や成果を表す場合
- “worthwhile”
- 例: 「やった甲斐があった」→ “It was worthwhile.”
- “rewarding”
- 例: 「努力の甲斐があった」→ “My efforts were rewarding.”
- “pay off”
- 例: 「待った甲斐があった」→ “It paid off to wait.”
- “worthwhile”
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見返りや効果を表す場合
- “the result of”
- 例: 「努力の甲斐がある」→ “There’s a result for the effort.”
- “benefit”
- 例: 「期待した甲斐があった」→ “It was worth the expectation.”
- “the result of”
しかし日本語は甲斐というのを使えばこのような使い分けをしないでも甲斐だけで十分にコミュニケーションできるのです。
いきがいがある人生、やりがいのある仕事、不甲斐ない、甲斐性があるとか甲斐というのはたくさん使用されています。
日本語というのは知れば知るほど深海のように深く海のように広い世界です。