猫も杓子もとは?
猫も杓子もとは?
何気なく使っている「猫も杓子も」というのはなんとなく意味は分かっているけど、語源が不明でした。
友人と話していて猫も杓子も、、、というので意味はわかりますが、なんでそういうだんろうなあと。
猫はわかるけど杓子? どういう関係があるんだろうかと調べてみました。
なんと猫というのは神主、僧侶を意味することのこと。
「猫も杓子も」の語源には諸説ありますが、主に次のように説明されています。
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**「猫」**は、どこにでもいる動物の代表。
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**「杓子(しゃくし)」**は、台所にある柄(え)のついた「しゃもじ」のような道具で、これもどこの家にもある日用品。
つまり、「猫のような生き物から、杓子のような無生物まで、ありとあらゆるものすべて」という発想から来ていると言われます。
また別説では、
「杓子」は実は坊さんの名前(「釈子(しゃくし)」=釈迦の弟子の意味)だという説もあり、
「猫のような庶民も、釈子のような高僧も」=「身分の低いものから高いものまでみんな、すべて」という解釈も存在します。
ただ、現代では「どんな人も例外なく」といった意味で広く使われています。
「猫も杓子も」という表現が確認できる最も古い文献は、**江戸時代の『浮世草子』**だとされています。
特に知られているのは、**井原西鶴(いはら さいかく)**の作品です。
井原西鶴は『好色一代男』や『日本永代蔵』などを著した浮世草子作家で、庶民の生活や恋愛、商売を生き生きと描きました。
たとえば、彼の著作の一つ『西鶴織留(さいかくおりどめ)』(1694年)の中に
「猫も杓子も拝むようなことをする」
といった形で使われている記述があります。
このころにはすでに、「誰も彼も」「みんな一緒に」といった意味で定着していたと考えられています。
つまり、江戸前期(17世紀後半)には、すでに庶民の間で普通に使われていたわけです。
面白いですねえ。 こんな300年も前からずっと使われているなんて驚きです。