箸のマナー

箸のマナー

 

日本では箸(はし)はとても大切な道具で、食事のときの使い方にはいくつかのマナーがあります。以下に、知っておくと良いマナーをまとめました。


✅ やっていいこと(正しい使い方)

  1. 両手で箸をとる(特にフォーマルな場)

     箸を使い始めるとき、利き手で持ち上げて反対の手を添えると丁寧です。

  2. 個人用の箸を使う

     大皿から料理をとるときは、共用の箸や反対側の箸の端を使いましょう。

  3. 箸置きを使う

     食事の途中で箸を置くときは、箸置き(はしおき)を使いましょう。ない場合はお皿の端にきれいに置きます。


❌ やってはいけないこと(タブー)

マナー違反 説明
刺し箸(さしばし) 食べ物に箸を突き刺して食べること。これは非常に無作法とされます。
渡し箸(わたしばし) 食器の上に箸を横に置くこと。これは「もう食べない」という意味になります。
箸渡し(はしわたし) 箸と箸で食べ物を渡すこと。これは葬儀の際の骨拾いを連想させ、非常に不吉とされます。
迷い箸(まよいばし) どれを食べようかと箸を料理の上でウロウロさせること。行儀が悪く見えます。
指し箸(さしばし) 箸で人を指すのはとても失礼です。話すときは箸を置いてください。
舐り箸(ねぶりばし) 箸を舐めたり、口をつけたままにするのも不快感を与えます。
立て箸(たてばし) ご飯に箸を垂直に立てるのは、仏壇に供えるスタイルと同じで縁起が悪いです。

 

 

箸を使う地域は以下の通りです

箸を使う民族・文化圏の数と地域

✅ 主に箸を使う国・民族(約5〜6つの文化圏)

  1. 中国(漢民族)

    • 箸の起源とされる国。

    • 長くて先の丸い箸を使う。

  2. 日本(和人・大和民族)

    • 短めで先が細く、木製が主流。

    • 「個人専用の箸」文化が発達している。

  3. 韓国(朝鮮民族)

    • 金属製(主にステンレス)の平たい箸を使う。

    • スプーンとセットで使うのが特徴。

  4. ベトナム(ベト族など)

    • 中国と似た木製の箸を使うが、やや短め。

    • 家庭や地方によって使い方が異なる。

  5. 台湾(漢民族系が多い)

    • 中国式の箸文化に近いが、日本の影響も受けている。

  6. タイ(一部地域のみ)

    • 基本はスプーン&フォークだが、麺料理のときだけ箸を使う

    • 華人系(中国系タイ人)が多い地域では日常的に使う。

 

箸を使う意味・理由

衛生的な理由

  • 手を汚さずに食べられる

     → 特にアジアの料理は油や汁が多く、箸でつまむことで清潔に食べられる。

  • 他人と共有する料理でも、直接手を入れない

     → 大皿文化の中で、清潔を保つための合理的手段。

  • 日本では「マイ箸」を持ち歩く人もいて、清潔意識が強い。

✅ 衛生的な理由は、現代でも最も納得しやすい箸の利点です。


宗教的・儀式的な意味

  • 仏教の影響(特に日本・中国・ベトナム)

     → 「殺生を避ける」文化と結びつき、食べ物に対する敬意を込めて丁寧に扱う手段として箸が使われた。

  • 神道(日本)では、箸は神事にも使われる

     → お供えや儀式で、白木の箸(未使用のもの)を使うのが一般的。

⚠️ 箸を「立てる」「渡す」「刺す」などがタブーなのは、**死者との関わり(葬儀)**を連想させる宗教的な理由が背景にあります。

 

なかなか箸一つとっても奥が深いですねえ。

 

欧米から日本に来ると箸は謎でしょうねえ。 フォークとナイフの文化ですから。

 

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