箸のマナー
箸のマナー
日本では箸(はし)はとても大切な道具で、食事のときの使い方にはいくつかのマナーがあります。以下に、知っておくと良いマナーをまとめました。
✅ やっていいこと(正しい使い方)
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両手で箸をとる(特にフォーマルな場)
箸を使い始めるとき、利き手で持ち上げて反対の手を添えると丁寧です。 -
個人用の箸を使う
大皿から料理をとるときは、共用の箸や反対側の箸の端を使いましょう。 -
箸置きを使う
食事の途中で箸を置くときは、箸置き(はしおき)を使いましょう。ない場合はお皿の端にきれいに置きます。
❌ やってはいけないこと(タブー)
マナー違反 | 説明 |
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刺し箸(さしばし) | 食べ物に箸を突き刺して食べること。これは非常に無作法とされます。 |
渡し箸(わたしばし) | 食器の上に箸を横に置くこと。これは「もう食べない」という意味になります。 |
箸渡し(はしわたし) | 箸と箸で食べ物を渡すこと。これは葬儀の際の骨拾いを連想させ、非常に不吉とされます。 |
迷い箸(まよいばし) | どれを食べようかと箸を料理の上でウロウロさせること。行儀が悪く見えます。 |
指し箸(さしばし) | 箸で人を指すのはとても失礼です。話すときは箸を置いてください。 |
舐り箸(ねぶりばし) | 箸を舐めたり、口をつけたままにするのも不快感を与えます。 |
立て箸(たてばし) | ご飯に箸を垂直に立てるのは、仏壇に供えるスタイルと同じで縁起が悪いです。 |
箸を使う地域は以下の通りです
箸を使う民族・文化圏の数と地域
✅ 主に箸を使う国・民族(約5〜6つの文化圏)
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中国(漢民族)
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箸の起源とされる国。
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長くて先の丸い箸を使う。
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日本(和人・大和民族)
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短めで先が細く、木製が主流。
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「個人専用の箸」文化が発達している。
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韓国(朝鮮民族)
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金属製(主にステンレス)の平たい箸を使う。
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スプーンとセットで使うのが特徴。
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ベトナム(ベト族など)
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中国と似た木製の箸を使うが、やや短め。
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家庭や地方によって使い方が異なる。
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台湾(漢民族系が多い)
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中国式の箸文化に近いが、日本の影響も受けている。
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タイ(一部地域のみ)
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基本はスプーン&フォークだが、麺料理のときだけ箸を使う。
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華人系(中国系タイ人)が多い地域では日常的に使う。
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箸を使う意味・理由
① 衛生的な理由
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手を汚さずに食べられる
→ 特にアジアの料理は油や汁が多く、箸でつまむことで清潔に食べられる。 -
他人と共有する料理でも、直接手を入れない
→ 大皿文化の中で、清潔を保つための合理的手段。 -
日本では「マイ箸」を持ち歩く人もいて、清潔意識が強い。
✅ 衛生的な理由は、現代でも最も納得しやすい箸の利点です。
② 宗教的・儀式的な意味
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仏教の影響(特に日本・中国・ベトナム)
→ 「殺生を避ける」文化と結びつき、食べ物に対する敬意を込めて丁寧に扱う手段として箸が使われた。 -
神道(日本)では、箸は神事にも使われる
→ お供えや儀式で、白木の箸(未使用のもの)を使うのが一般的。
⚠️ 箸を「立てる」「渡す」「刺す」などがタブーなのは、**死者との関わり(葬儀)**を連想させる宗教的な理由が背景にあります。
なかなか箸一つとっても奥が深いですねえ。
欧米から日本に来ると箸は謎でしょうねえ。 フォークとナイフの文化ですから。