カルヴィニズムとは

カルヴィニズムとは

 

カルヴィニズム(Calvinism)とは、16世紀の宗教改革の中でジャン・カルヴァン(Jean Calvin)が中心となって形成したプロテスタントの教義体系です。特に「神の絶対的主権」「予定説(予定論)」などが特徴で、キリスト教神学の中でも非常に論理的かつ厳格な立場をとっています。


🌿 カルヴィニズムとは?

カルヴィニズムは、ジャン・カルヴァンによる教義を基礎にしており、以下の5つの基本原則(いわゆる「TULIP」と呼ばれるもの)に要約されることがあります。

✅ TULIP(カルヴィニズムの五つのポイント)

  1. 全的堕落(Total Depravity)

     人間は原罪によって完全に堕落しており、自分の力では神を求めることも信仰に至ることもできない。

  2. 無条件の選び(Unconditional Election)

     神は救われる人を永遠の昔に無条件に選んでおり、人間の善行や信仰に基づくものではない。

  3. 限定的贖罪(Limited Atonement)

     イエス・キリストの贖いは、全人類のためではなく、選ばれた者(選民)のためだけに有効である。

  4. 抗し得ない恵み(Irresistible Grace)

     神の恵みは選ばれた者には必ず効力を持ち、拒むことはできない。

  5. 聖徒の堅忍(Perseverance of the Saints)

     一度救われた者は、最後まで信仰を失うことなく救いに至る(脱落しない)。


🤔 なぜそのような教義になったのか?

カルヴァンの神学は、神の「絶対的主権」と「人間の無力さ」に焦点を当てています。理由は以下の通りです:

  • 宗教改革の文脈:当時のカトリック教会の堕落(免罪符など)に対する反動として、「人間の行いでは救われない」という強い主張が必要だった。

  • 神中心の神学:カルヴァンは、神の栄光こそが宇宙の目的であり、人間の意思や自由よりも神の意志こそがすべてを決定する、という神中心的世界観を持っていた。

  • 聖書重視:カルヴァンは徹底的に聖書を分析し、そこから厳密な論理構造を持つ神学を構築した。

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🙋‍♂️ 今でも信じている人はいるの?

はい、カルヴィニズムは今でも世界中に多くの信者がいます。以下のような教派や教会に強い影響を与えています:

  • 改革派教会(Reformed Church)

  • 長老派教会(Presbyterian Church)

  • バプテストの一部(Reformed Baptists)

  • カルヴィン主義を重視する神学校や牧師

特にアメリカ、オランダ、韓国などにおいて根強い影響を持ち、現代でも知的で組織的な神学体系として尊重されています。また、一部の改革派信者の間では「ネオカルヴィニズム」と呼ばれる運動もあり、文化・社会・教育においてキリスト教的価値観を広げようとする試みも見られます。


✍️ まとめ

項目 内容
定義 ジャン・カルヴァンによる神中心のキリスト教神学体系
特徴 予定説、全的堕落、神の絶対的主権
歴史的背景 カトリック教会の腐敗とルター派への発展的反応
現代の信者 世界中に存在し、改革派教会などで今も支持されている

 

なんだかなあ 宗教っていったい何だろうかと思っちゃうな 人を幸せにするとか人類救済ではないのかと。